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「ゲーム進行を事実上不可能にしてしまう、通常の方法では突破不可能な状態にAsset類を建設/保全する行為」について
主文
ProjectReality日本コミュニティでは、
「ゲーム進行を事実上不可能にしてしまう、通常の方法では突破不可能な状態にAsset類を建設/保全する行為」を禁止します。
理由・解説
2015年7月18日、Fallujah : INS Stdの第1Cacheで利用された、Asset類の建築によるCache防衛戦術 (以下「本戦術」と言います) について、本戦術は画期的で効率のよい防衛戦術ではあるものの、特定の条件が重なるとあまりにも強力なものとなり、事実上ゲーム進行を不可能にしているものであるということから、運営ではこれを禁止するべきだと結論づけました。ゲームの仕様を一部運営の判断で規制する告知となるので、このような判断に至るまでの過程を書き記しておきます。争点は大きく分けて2つありました。
- この状態のCacheは本当に突破不可能なのか?
- とあるグリッチ紛いの行為をすれば突破可能となる本戦術だが、本当にそれを解決策として提示していいものなのか?
争点1については、正規軍の努力、あるいは練度の向上によって本戦術を打開出来るのであればこれを規制するべきではないという点から争われました。客観的な視点から見て、やってくる正規軍を銃で撃つという行為と今回の行為には、「敵の進軍を防ぐ行為」という点で、何ら変わりがないからです。例えば正規軍が反正規軍に圧倒的な戦力差を付けられているような試合では、正規軍が弾薬庫を破壊することは非常に難しいと言えますが、これは正規軍側の努力、あるいは練度が足りないからゲームの進行が結果的に止まったようにみえるのであり、これは、競技性のあるマルチプレイゲームにおいては正常な状態と言えます(無論、バランスの悪い試合は面白いとは言えませんが)。しかし、これが正規軍の努力、あるいは練度の向上などで賄えない場合、具体的にはWallhack等のチート行為や多重PCによるGhosting行為、壁の中にFOBを建築すると言ったGlitching行為は、もはや競技性を競う状態とはいえず、規制されるべき対象となります。ということで実験してみました。結果から言うと、「破壊可能」でした。ただし、「正規軍が敵軍のモーターIEDキットを鹵獲し、このモーターIEDを複数個同時に発破すること」でのみ (実験してくれた方々ありがとうございました)。......とはいえ、いくら理論上では破壊可能と言えなくもないこの破壊過程も、これを実戦で再現させるのはいささか酷であると言えます。よって運営では、この状態のCacheを「ゲーム進行を事実上不可能にしてしまう、通常の方法では突破不可能な状態」であると判断します。
争点2については、実際にある方法により突破可能であると言えなくもないという点で争われました。ただこの方法は、ごく一部のプレイヤーしか知らないような、通常のプレイの仕方では到底気がつかないであろう特殊な行為であり、ロードブロックの建設/保全行為そのもの自体が正当な防衛手段であるとはいえ、このようなグリッチ紛いの突破方法をプレイヤーに強いることでしか攻略が不可能である点を鑑みれば、やはり全体としてバランスが悪いという結論に達しました。要は、防衛手段自体は正当な手段だが、これを突破する通常の方法が存在しないので、この防衛手段は禁止しようということです。
今回の件について
実在する仕様に関して私達にできるのは「これは開発者が想定した内容であるかどうか」と妄想をふくらませることではなく、「この仕様を許すとゲームバランスが著しく崩壊するおそれがあるかないか」判断するだけです。1プレイヤーが「どこまでが仕様でどこからがバグである」とは言えません。人によってはFOBから復活するプレイヤーを待ち伏せて攻撃する行為ですら、ゲームの仕様の抜け目をついたバグ行為だというような人もいます。人によってどこまでがOKでどこからがNGだなんて違うんですから、「これをやったら卑怯だ」「これをしなければ紳士的ではない」などということは決して出来ません。
補足
なお、主文にある「通常の方法では突破不可能な状態」とは、主に「戦車などの兵器による火力支援の届かない場所で、BreacherあるいはEngineerのC4を用いても、妨害するAsset類の、あるいはAssetを用いて進行を妨害しようとする者自体の排除が出来ない状態」などを指します。ですから、考えうる通常の方法(具体的には戦車砲でロードブロックを吹っ飛ばせる、フックを使えば侵入可能である、手榴弾を投げ込めば中の人間を殺害できる、そもそも他に通常の手段で出入りできる入口がある等)で突破が可能であれば、INS側は今回と同じ戦術を取っても構いません。また今回の点で重要なのは、Asset建設/保全行為の禁止が主旨ではないという点です。マップの端っこの何もないところでバリケードを作り「どうだ、入ってこれないだろう!」と1試合0deathを目指す行為を別段禁止しようとは考えていません(無論、言葉通りにとらないでくださいね。これはまた別の問題に抵触します)。今回の件で問題だったのは、内部にCacheが存在し、この行為によってCacheが事実上米軍の手から絶対的に隔離されてしまった点にあります。ですから同じことはAASのFlagにも、C&CのFOBにも言えます。今回のこの規制によって本当に防ぎたいのは、この手段によって防衛されているオブジェクトを見て、相手のチームが「あ~ぁ これは絶対に突破不可能だ ヤメヤメ」と意気消沈してしまうことです。ある程度の努力を行えば現実的に突破可能な防衛方法であれば構いませんが、絶対に勝てないと分かっている試合を楽しめる人は多くありません。言い方は悪いですが、「相手チームに勝てる手段を残せ」ということです。ProjectRealityはルールが複雑であったり、ちょっとシステムに問題があるがゆえに色々な問題が発生しやすいようです。ですから、このような問題に直面した時にはすぐに「仕様内のことをやって何が悪い!」だとか、「あんなことをするなんてなんて卑怯なやつなんだ!」などとは言わずに、ちょっと一呼吸置いて、出来る限り多くの人が楽しめるように、そして特に初心者が楽しめるような試合・イベント・コミュニティになるように向かっていけたらいいなぁと、そう思うのであります。
なお本規制に関しては、新たにルールに文言を付け足すといったことはせず、現行ルール2-3の主旨および4-2に一部抵触する行為であるという判例を示すことで、本戦術を規制するものであります。